2024/05/26
マッチングアプリ
私は、30代後半の頃から、同棲相手から数年間レスられた。それまで浮気なんてしたこともなくて
他の男の人と遊ぶこともない人生だった。でもこの先女としてもう見てもらえない人生は嫌だった。
セックス目的でマッチングアプリを始めたわけじゃない。
ただ、話を聞いてくれたり、一緒に楽しい時間を過ごせる相手が欲しかった。
ドキドキしながらアプリに登録すると、どんどんメッセージが来て、その中で
話が合いそうで、写真のイメージが良かった人と飲みに行くことになった。
当時12歳年下の某俳優さん似のサラリーマンの人だった。おばさん相手なのにとても優しくて
美味しい食事をしてお酒を飲んで私を女扱いしてくれた。それだけで充分だった。
店を出ると彼は私の手を握って歩いた。こんなおばさんと手を繋いで歩いて恥ずかしくないの?
そう思いながら私は正直嬉しかった。遊びでも別に良かった。
今日は楽しかった?良い時間を過ごせた?「うん」と答えると彼は
僕なら、もっと翔子さんが喜ぶことしてあげられるよと言って
そのまま私をホテルに連れて行った。
私がセックスをしたのは何年ぶりだっただろう…。
もう2度としないかもしれないと思っていたし、やり方も忘れていた。
でも、はたして気持ちよかったのかも覚えていない。
同棲している彼は私を抱かないけれど彼よりも素敵で若い男は私を相手にセックスできるんだ、ということを知った。愛されるとか大切にされるとかどうでも良かった。大切な30代後半からの女としての時間と、無くした自信を取り戻したかった。私はPCMAXというマッチングサイトで、若くて綺麗な人を選んで不特定多数と会うようになった。
もちろん最初からセックス目的ではなかった。
一緒に食事をしたり、遊びに行ったりしてお互いがそういう気持ちになればホテルに行った。
結局ほぼホテルに行ったけれど。
妻子持ちや、彼女がいる人ばかりだった。妻子や彼女が居ても普通にみんなこんな私とセックスするんだ。
女としての自信は取り戻したけれど、男を信用できなくなった。でも私は相手を好きでもないし、本気でもない。
だから、どうでもよかった。本当は乳首を舐められるのが好きで彼女にしてもらいたいけれど変態だと思われるのが嫌だから言えないという20代後半の男性の話を聞いた。「乳首を舐めて欲しい」すら言えないのね。でもさ、私が彼女だったら、それが言えないからって、おばさんに乳首舐めてくださいってお願いしてる彼を知ったら耐えきれないと思う。言ってよ、舐めるよって思う。
愛する相手も居ないし、失った時間と自信を取り戻すだけのセックスはしばらく続いた。そんな中で、私は相手の1人を好きになってしまった。それでアプリを辞めた。多分、彼に遭遇しなかったら、今もアプリを続けて、毎週会う人を探していたんだろうなと思う。